平成25年度教育改革ICT戦略大会 参加報告

<平成25年度教育改革ICT戦略大会>

テーマ: 大学の質的転換への行動
日 時: 平成25年9月3日(火)~5日(木)
会 場: アルカディア市ヶ谷(東京 私学会館)


 この大会は、「大学の質的転換」なくしては国・社会の発展は考えられないという危機意識を共有し、国及び社会と大学が一体となって人材育成の強化・改革に向けた施策が求められていることを受けて、ICTを活用した教育事例の紹介、大学・企業の連携によるICTの導入など、各大学の取り組みを通じて現状を把握し教育の支援策、改善策を模索することを目的に行われました。

 まず、文部科学省 高等教育局高等教育企画課高等教育政策室の田中聡明室長より「学生の主体的学びの確立に向けた大学教育の質的転換」というご講演をいただきました。

 18歳人口が減少する中、大学は①グローバル化②イノベーションの創出③教育機能の強化④社会人の学び直し⑤経営基盤の強化を求められていると話されたうえで、特に社会人の学び直し、若者、女性の活躍推進、グローバル人材の育成に力を注いでほしいというお話をいただきました。高校は「教育の質保証」を「学習到達度テスト」で測ろうとしているのに対して大学の質保証は、欧米並みの学修時間の確保と課題探究能力を身につけさせることではないかというお話をいただきました。

 課題探究力は産業界からも求められており、企業内教育の終焉とそれに代わり大学の教育で課題探究力を身につけるようにしていただきたいと産業界を代表して株式会社ニチレイの浦野光人相談役からも講演がありました。

 その後、教育の質保証とドロップアウトしていく学生への対応、いったん解体された一般教養部を再生させ中堅若手職員に担当させている事例、事務職員主導で行った学生アンケートに基づき大学改革をした事例などが紹介されました。

 視点を変えて、講義に対しての指標を学生の満足度から到達度に変えた事例の発表や、教員側が達成目標を設定するときには評価方法を同時に考えるべきという提案、質保証とは、学修ポートフォリオなどの仕組みを作り、結果を確認することであるという発表が行われました。

 二日目の分科会では課題探究力を身につけるための取り組みとしてアクティブラーニングの導入事例や地域社会と協働した実践型の授業の事例が発表されました。対する質問では、担当する教員の選出方法、評価、また、事業に携わることのできる学生の選抜方法などより実践的な質問も飛び出して、教員も学生も全員、携わっている本学との違いに気が付かされる面もありました。また、40代から60代までの教員がこうした地域連携などの取り組みに対して抵抗を感じることが多いという指摘もあり、教育改革の難しさを垣間見ました。

 三日目の大会発表では、学習意欲向上やプレゼンテーション、キャリア教育など各テーマに分かれての発表がなされました。それぞれ、社会のニーズに対応できる学生の育成のために工夫をしておられることが伝わってきました。知識優先の技術的熟達者でなく反省的実践家が社会で役立つと定義をする発表や、グループワークを通じて実践的な活動をし、必ず振り返りは個人でさせるなどのかなり具体的な授業の進め方の提案なども発表されました。

 大会が進んでいくに従い、学生の事前、事後の学修の重要性、また、教員自身の自分の講義への振り返りなど今まで意識して行われてきたことでも、その重要性を再認識することができました。

 学生の質保証をどうするかを常に念頭に置きながら、ICTを活用、導入しながら行われている各大学の教育改革への取り組みを知ることができ、とても有効な時間を過ごすことができました。

 

※ 関連サイト
教育改革ICT戦略大会 http://www.juce.jp/LINK/taikai/taikai2013.htm